立夏

石庭 雑記(二十四節気など)

5月5日は立夏です。夏の気が立ち始めるとされます。

夏という単語で小説のタイトルを思い返すと、筆者は『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)がうかびます。冒頭が印象的です。
冬に猫のピートが、家の外への扉すべてを通ってみている。まるでいずれかの扉が夏に通じていると信じているようだ。かく言う僕も、夏への扉を探していた。
このように始まるSF冒険小説です。サイトカテゴリー「小説を読む」で取り上げるかはわかりません(読めば分かる内容だからです)が、楽しく読める良作です。
山下達郎の楽曲「夏への扉」はこの小説へのオマージュと思われます。切なくも甘い雰囲気は小説のイメージをふくらませますね。
英語の生まれたヨーロッパで、夏は日本以上に良い印象があるようです。この小説もsummerという言葉の良いイメージ、物事がうまく運ぶ期待を重ねています。地理では、ヨーロッパ地域は緯度のわりに温暖などと習いますが、実際にはヨーロッパの冬は厳しいものです。夏はより待ち望まれているわけです。
2020年の立夏、私たちも夏への扉を探しています。

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