小寒 芹栄う

石庭 雑記(二十四節気など)

令和二年1月6日は小寒です。令和三年では1月5日です。新年となりました。

ねぎごとを さのみ聞きけむやしろこそ はてはなげきの森となるらめ (安部清行の娘)

願い事をあんなにたくさん聞いている社は、いつか嘆きの森になるでしょうと詠っています。
初詣で神社に嘆きばかり聞かせずに、誓いや目標を聞かせるのも良いかもしれませんね。

芹が栄えるとあります。芹は春の七草の一つでこの季節にぴったりです。一月七日、人日(じんじつ)に七草粥を食べます。古くは七種(ななくさ)と呼ばれており、内容も米、粟、稗、黍、蓑、胡麻、小豆という穀類でした。時代がくだって七草として芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう・ハハコグサ)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ・タビラコ)、鈴菜・菘(すずな・カブ)、蘿蔔(すずしろ・ダイコン)とされ定着しました。七草をきざんで、すりこぎで叩いて粥に入れました。下の芭蕉の句はその様子を詠んだものです。

四方(よも)に打つ薺もしどろもどろかな (松尾芭蕉)

薺(なずな)を打つ調子があっておらず、乱打されているようにあちこちから聞こえるよという意味。可笑しみと風情のある句ですね。

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