霜降 霜はじめて降る

石庭 雑記(二十四節気など)

10月23日は霜降です。朝霜を見始める時期という意味。暦の上では晩秋にあたります。実際の気候は秋の真ん中です。霜を見るのはもっとあと、山間部・内陸部からだんだんと霜の降る気温になっていきます。

この時期に旬なのが、さつまいもです。焼き芋がおいしい季節になっていきますね。
薩摩の国、今の鹿児島県から全国に広まったのでさつまいもといいますが、当の鹿児島および沖縄と九州の一部では「からいも」といっていました。中国大陸から伝わってきた記憶があったからです。その中国も原産国というわけではありません。
サツマイモの原産は中央アメリカから南アメリカ北部にかけての地域と考えられています。そこから当時の日本人が南蛮人と呼んでいたスペイン・ポルトガルの人々によってフィリピンをはじめとした東南アジアに持ち込まれ、これが中国、琉球、薩摩を経て江戸幕府にも紹介され、全国で栽培されるようになりました。簡単な調理で味付けせずとも甘く、またやせた土地で育つので救荒作物としても喜ばれました。甘藷という別名はそのまま甘い芋という意味です。
意外にもビタミンCが豊富で、へたなおやつより栄養面は優秀。最近はほくほく系からねっとり系まで品種も多様です。渡来からかわらない、秋・冬の味覚の定番ですね。

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